脳神経外科医 中冨 浩文(なかとみ ひろふみ)

新しい医療を創造する脳神経外科医

中冨 浩文(なかとみ ひろふみ)

福岡県生まれ。杏林大学医学部脳神経外科教授。
東京大学医学部卒業。東京大学医学系研究科大学院脳神経医学卒業 医学博士。
祖父、父が歯科医、母方祖父が医師の家系に生まれる。
日米通算3594例以上の執刀経験を有する脳と血管の温存・再生・再建を実現させる脳神経外科スペシャリスト。

とくに、聴神経腫瘍、血管奇形、頭蓋底髄膜腫、脳動脈瘤の手術が専門。脳動静脈奇形の手術では手足の動き、感覚、視覚を変えない手術(温存率97%)を行う。(Surgery for cerebral stroke. 2016)。

脳神経外科学会奨励賞(ガレーヌス賞)を受賞。米国で一番信頼の厚い脳神経外科メイヨークリニックでは、元Air force1クルーで米国ナンバー1脳神経外科チェアマンに師事。

帰国後、虎ノ門病院脳神経外科医長を経て現職。2004年、脳卒中学会会員数6000名の中から一人が選ばれる日本心臓財団草野賞を受賞。また、2016年には最新の工学技術3D computer graphics技術を駆使して行う、脳動静脈奇形の手術シミュレーションの開発研究において鈴木二郎賞を受賞。

「他では難しいと言われたオペも無事に行なってもらえて感謝している」「他では受けられない最先端医療だった」「食事や運動のことなど気軽に相談できた」など喜びの声が多数届く。顕微鏡下での拡大手術において、こだわっている手術精度の基準は0.1mm=100um単位。難易度の高い手術をバーチャルシミュレーションとリアルタイムモニタリングを常に比較検討しながら実施する手技を開発(VR法)。実際の手術では機能温存を最大限に可能とする手技を展開している。

術中の神経機能の可視化技術で安全性、確実性を確保するVR法は、東京大学工学部との共同研究により開発され世界的特許を取得。聞こえを守る、顔を変えない「VR法の生みの親」として活躍。VR法を逆輸入した欧米諸国はフランス、イギリス、デンマークなど6カ国7施設に及び、国内では東京大学医学部附属病院、慶應義塾大学病院、杏林大学医学部付属病院など15カ所に導入されている。

「新しい医療を創造する」という理念のもと、世界中のネットワークを駆使し、脳と血管の温存・再生・再建を実現する新たな医療の開拓者として奮闘している。顕微鏡を覗きながら特殊な器具を用いて行うマイクロサージェリー実習に力を入れ、東京大学医学部、東京大学医学部附属病院において教壇に立ち後進育成にも力を入れている。世界とのネットワークを駆使しながら医療のイノベーションに挑み続けている。

略歴

日本脳神経外科学会専門医
北米頭蓋底外科学会会員 米国メイヨークリニック頭蓋底
脳血管外科臨床フェロー修了 米国メイフィールドクリニック頭蓋底外科臨床フェロー修了 米国ハウスクリニック神経耳科、頭蓋底外科臨床客員フェロー修了

脳神経外科手術執刀数

3594症例(2019/12/31現在)
聴神経腫瘍、血管奇形、頭蓋底髄膜腫、脳動脈瘤においては、1326症例 (脳動脈瘤458症例、聴神経腫瘍372症例、 髄膜腫338症例、脳動静脈奇158症例)

受賞歴

  • 日本脳卒中外科学会最優秀論文賞 鈴木二郎賞
  • 日本脳卒中学会 星野賞
  • 日本脳卒中学会心臓財団 草野賞最優秀賞
  • 日本脳神経外科学会奨励賞、血管障害の部門
  • 日本脳神経外科学会 奨励賞
  • 米国メイヨー医科大学脳神経外科 サマークゥオーター、ベストレジデント賞
  • 東京大学脳神経外科同門会賞、非専門医部門
  • 東京大学脳神経外科同門会賞、専門医部門

査読委員

世界医学専門雑誌『Stroke』『Journal of Neurosurgery』『Neusosurgery』『World neurosurgery』に投稿される適切な論文を審査にかける査読:peer review委員

兼務

・理化学研究所にて脳科学センターチームリーダーとして脳動脈瘤の原因遺伝子の探索を行なっている。(2018年~現在)
・慶應義塾大学 生理学教室にて訪問准教授として認知症再生の研究を行なっている。(2016年~現在)